テレビで話題になった大阪の10段ピラミッド失敗映像。
大中ピラミッド(大阪府八尾市立の中学校における組体操事故)
近年一部地域では組体操の巨大化が進んでいた。
ピラミッドの段数をどこまで高くできるか?そんな競争にも見える。
上の映像はそのなれの果て。
最後動けなくなっている生徒が痛々しい。
私の地域では例年通りの演目を順番変えてやっているような感じで、あまり組体操に熱心ではなかったのでこんな高い、でかい組体操は見たことがなかった。
組体操って高学年の花形扱いで、だいたい最後の方に持ってこられる。
ドンドンドンと響く太鼓の音に合わせて決める技は段々難しくなり、最後ピラミッドを形成して盛り上がり、フィナーレを迎えるというのが定番だ。
ラストでは感動して涙する観客もいるという。
文部科学副大臣の義家弘介さんもうちの子も負荷のかかる位置に居て背中の筋壊したけど感動してうるうるした!みたいなこと言っていたくらいなのだ。
そう、観客にはウケがいい。盛り上がる。感動する。
その陰で重大なケガをした子供、つらい土台に耐える子供、ぐらぐらする土台の上に立つ恐怖に耐えていた子供達がいた。
板じゃないんだから、ゆがみがかならずできて、その一点にかかる負荷は何百キロにもなるという。(ちなみに私を含めうちの子達は背が高くないので上にのる方)
私の子は上が中学二年生なので、組体操は経験済み。
驚くべき事に、先生から毎年けが人が出ていることを聞かされていた。
だからがんばれよ、気をつけろよ、ってことなんだろうけど頑張りや気をつけることだけではどうにもならないリスクをかかえているということに先生を含め、私たちは今まで気づいてこなかった。
組体操は危ない!
学校のリスクについて研究されている内田良さんの発信、そして先ほどの事故映像で一気に組体操は危ない!ムーブメントが起こった。
どんな感じかは内田さんの記事をみてみるとわかると思う。
組体操はそもそも学校の教育課程には何も関係ない。
やらなくてもいいものなのだ。
そのやらなくてもいいもののお陰で子供がケガの危険にさらされている。
この内田さんは事故の膨大なデータを集め、警鐘をならした。
組体操の巨大化は危ない。演目や段数によってもリスクは変わってくる。なので、そこをきちんと分析して今後に生かすべきだ、やみくもになんでも危険、廃止の方向に進むことは望んでいないというスタンス。
今はその分析をすすめている最中のようだ。
で、何が危険で何ならいいのか?そこが分からない今はやるべきではないという判断をいち早く下し、組体操を中止した地域に私は住んでいる。
先日娘の運動会を見てきた。
組体操のなくなった運動会
さて、組体操の代わりに何がおこなわれたかというと・・・
組体操のポーズを取り入れた団体行動(マスゲーム?)っぽい演目。ダンスも入っている。ウエーブをしたり、全体で見ると一体感があってきれいだというような感じ。
あの組体操のようなラスボスに挑むような盛り上がりは確かになかったけど、混乱の中先生方がなんとか考えた工夫は感じられた。
来年はもっといいものになるんじゃないかな。
(実はダサイから見ないでいいといわれた演目だったりするw)
組体操のあおりなのか、娘は棒引きがなくなったことを悲しんでいた。
棒引きは別に危なくなさそうなんだけど・・・
いずれ組体操のデータが集まってきて、何をやってよくて何をやったら危ないのかということがわかれば復活もありえるのだろうか。
2人の子供達に組体操について聞いてみたら・・・
二人ともなくなって良かった、と口をそろえた。
あ、そうなんだ。。。そうだよね。膝痛いし汚れるし体操服の上滑るもんね。
他にも転がっている学校リスク
他にも学校には問題がたくさんある。
部活、柔道(これは体育の柔道は改善された)、部活の先生問題。
たいていは今まで見えなかった人にとっては問題とも思われていなかった部分。
熱血先生の指導に殺された生徒は、裁判で直接その先生個人を実は訴えることができないというようなことはとても衝撃だった。
そして熱血先生はいい先生なんだからやめさせないで!と父兄が言い出すというようなことも。人死んでるのに・・・
逆に体育における柔道は問題をしっかりうけとめ、今では事故がほとんどなくなったという。(部活においてはまだある)
そういや今の学校って、私たちが通っていたときと恐ろしいくらい何も変わってないなと思ったものだ。古いよなー・・・・電子黒板とかいってたくせに。
自分たちも通っていた学校の中にどんなリスクがあったのか、ということを知りたい人や、お子さんお持ちの方はぜひ一度本を読んでみて欲しい。
組体操だけでなく、既存のものをあたりまえとうけとめず、どんどん問題は解決していくべきだと思う。
未来の子供達のためにも・・・
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